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Markets コラム 新NISAで金(ゴールド)に投資できる?過去53年のリターンを実データで検証
コラム 2026-06-04 · 読了 約16分

新NISAで金(ゴールド)に投資できる?過去53年のリターンを実データで検証

金地金・純金積立は新NISA対象外。金ETF・金投資信託なら成長投資枠で買える。金は過去53年で約27倍(年平均ベースの推定)だが、20年で-77%の谷もあった。新NISA時代の金との関わり方を制度の切り分けと長期データで中立に整理。投資は自己責任で。

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新NISAで金(ゴールド)に投資できる?過去53年のリターンを実データで検証

「新NISAで金に投資したい」と検索すると、最初にぶつかるのがこの事実だ。金地金(現物)や純金積立そのものは、新NISAの対象外。新NISAで非課税にできるのは上場株式・投資信託・ETF・REIT等の有価証券で、金地金は現物のコモディティだからだ。ただし話はそこで終わらない。金ETF・金投資信託なら、成長投資枠で買える(つみたて投資枠は不可)。

では、その金は過去どれだけ増えてきたのか。国内の金小売価格は1973年の1g 958円から、2026年5月25日時点で1g 25,826円。約27倍だ(※1973〜2025年は田中貴金属の年平均をもとにした推定値、2026年5月25日のみ確報)。この記事では、新NISAで金とどう関われるかを制度面で正確に切り分けたうえで、nedanの53年データで「過去どう増えたか」を中立に検証していく。投資は自己責任で。

新NISAで金は買える?──「対象外」と「成長投資枠で対象」を切り分ける

結論から言うと、「新NISAで金は買えない」という一括りの言い方は不正確だ。金との関わり方によって、新NISAの扱いは分かれる。

金への関わり方新NISA補足
金地金(現物)対象外現物コモディティ。有価証券ではない
純金積立対象外同上(地金の現物投資)
金ETF(国内・海外上場)成長投資枠で対象(一部除外あり)つみたて投資枠は不可
金投資信託成長投資枠で対象つみたて投資枠は不可

なぜ金地金が対象外なのか。新NISAの非課税対象は、金融庁の制度上「上場株式・投資信託・上場投資信託(ETF)・上場投資法人(REIT)等の有価証券」と定められている(出典: 資産運用業協会 NISA成長投資枠の対象商品)。金の現物地金や純金積立は、有価証券ではなく現物のコモディティ投資にあたるため、この枠組みに入らない。

一方、**金価格に連動する金ETFや金投資信託は「有価証券」**なので、成長投資枠の対象になりうる。新NISAナビや楽天トウシルなど複数の証券メディアも、「NISA口座で金そのものを購入することはできない/金ETF・投信なら成長投資枠で買える」という点で一致している(出典: 新NISAナビ / 楽天トウシル)。

ここで前提となる新NISAの枠も整理しておく(すべて金融庁 NISA特設サイトより、2026年6月時点)。

項目内容
つみたて投資枠(年間)120万円
成長投資枠(年間)240万円
併用時の年間合計360万円
非課税保有限度額(総枠)1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
非課税保有期間無期限(2024年から)

(出典: 金融庁 NISAを知る

注意点として、成長投資枠にも除外要件がある。整理・監理銘柄、信託期間20年未満・毎月分配型・デリバティブを用いた一定の投資信託等は対象外だ。金ETFの中にも一部対象外のものがあるため、個別の商品が新NISAの対象かどうかは、資産運用業協会の対象商品一覧や各証券会社の最新の取扱一覧で必ず確認してほしい。

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金は過去どれだけ増えたか──53年の円建てリターン(nedanデータ)

ここからが本題だ。「新NISAで金関連商品を持つとして、その金は過去どう動いてきたのか」。nedanチャートの $GOLD データで、円建ての金小売価格を53年分並べてみる。

金 1g(円・年平均)1973年比
1973(変動相場制移行)約958円1.0倍
1980(第二次オイルショック)約4,499円約4.7倍
2000(長期下落の底)約1,014円約1.1倍
2024(円安・新NISA)約11,718円約12倍
2026年5月25日(確報)25,826円約27倍

出典: 田中貴金属公示価格/ねだんチャート $GOLD1973〜2025年は田中貴金属の年平均をもとにした推定値、2026年5月25日のみ確報(店頭小売・税込)

1973年の約958円から2026年5月の25,826円まで、約27倍。年率(CAGR)に直すと**約6.4%**だ。長期で見れば右肩上がりに見える数字だが、ここで強調しておきたいのは、金は一直線に上がってきたわけではないということだ。

表の中にひとつ、明らかに沈んでいる年がある。2000年だ。1980年の年平均 約4,499円から、2000年は約1,014円へ。ピークから約-77%、20年かけて4分の1以下まで下落した局面が、過去に実在した。第二次オイルショックで暴騰したあと、プラザ合意以降の円高もあって、円建ての金は20年間ずっと冴えなかった。この時期に金を持ち続けた個人は、20年間ずっと含み損を抱えたことになる。

「金は安全資産」「インフレに強い」というラベルは間違いではないが、過去の値動きが将来を保証するものではない。この20年の谷は、その当たり前の事実を示している。なぜ円建ての金がここまで動いたのか、円安・通貨価値の側から見た詳しい53年史は、別コラム「53年で27倍になった円建てゴールドの全歴史」にまとめてある。

国内金価格 1973-2026 の53年推移(対数スケール)。1980年のピーク、2000年の-77%の底、2008年以降の上昇相場、2026年の約27倍までを視覚化。estimated年とconfirmed年を色分け表記。出典:田中貴金属公示価格/ねだんチャート $GOLD(1973〜2025は年平均ベースの推定値、2026-05-25のみ確報)

金の長期リターンは株式と比べてどうか──分散の一手段という見方

新NISAで成長投資枠を使うなら、当然「株式と金、どっちがいいのか」が気になるところだ。ここは自前データでは断定できない領域なので、外部の出典を明示して引用する。

業界団体の World Gold Council(WGC) によれば、ドル建ての金は1971年の金本位制崩壊以降、長期で年率平均**約11%**と報告されている(出典: WGC 戦略的資産としての金)。ただしWGCは金の業界団体であり、金を推す立場にあるポジショントークの性格を含む点は割り引いて読む必要がある

より中立な比較として、運用会社ピクテの集計では、1999年末〜2024年9月の期間で、S&P500(配当込)がドル建てで約6.2倍になったのに対し、金は約9.1倍だった(出典: ピクテ 金と株式の組み合わせ)。この特定期間に限れば金が株式を上回ったが、これは切り取る期間によって結果が大きく変わる。先ほどの2000年の谷のように、金が株式に大きく劣後した時期も過去には存在する。

ピクテやWGCが共通して指摘するのは、金は株式と異なる値動きをしやすく、ポートフォリオに少量組み入れると分散の効果が期待できるという点だ。「金が一番儲かる」ではなく、「株式とは違う動きをする、分散の一手段」という位置づけで語られることが多い。

なお、日本から金に投資する場合は為替(ドル円)の影響を強く受ける。ドル建ての金が横ばいでも、円安が進めば円建てリターンは押し上げられるし、円高ならその逆になる。2024年以降の円建て金高には、この為替効果が大きく効いている(詳細は円建てゴールド53年史コラムを参照)。

金とどう関わるか──現物・ETF・積立・CFDの選択肢

ここまでを踏まえ、金との関わり方を中立に整理しておく。新NISAの非課税メリットを取れるのは、このうち金ETF・金投信だけだ。

手段新NISA特徴(事実のみ)
純金積立対象外現物を毎月積立。少額から可能
金ETF・金投資信託成長投資枠○非課税枠で金価格に連動。つみたて投資枠は不可
現物地金対象外保管コスト・売買スプレッドを要考慮
CFD対象外差金決済。価格変動が大きく、レバレッジによる損失拡大のリスクがある

非課税で長期に金へ連動させたいなら金ETF・金投信(成長投資枠)、現物を手元に積み上げたいなら純金積立や地金、短期の値動きを取りにいくならCFD、というのが大まかな住み分けになる。ただしCFDはレバレッジがかかるぶん損失も拡大しやすく、長期の資産形成とは性格が異なる。それぞれリスクの種類が違う点に注意してほしい。

金の最新価格と全変動履歴は /items/gold で更新しているので、本文の数字と合わせて確認できる。

まとめ

新NISAで金そのもの(金地金・純金積立)は買えないが、金ETF・金投資信託なら成長投資枠で非課税にできる(つみたて投資枠は不可、個別商品は要確認)。過去53年の円建て金は約27倍(年平均ベースの推定)と長期では上昇してきたが、1980年→2000年には約-77%、20年の下落局面もあった。金は「必ず上がる資産」ではなく、株式とは異なる値動きをする分散の一手段というのが、データから言える中立な見方だ。

関連して、最低時給 で測った金の購買力や、新興のインフレヘッジ候補であるビットコインの長期推移と並べると、資産価格と通貨価値の関係がより立体的に見えてくる。最新価格は /items/gold にまとめてある。投資は自己責任で。


主な参照ソース

  • 金融庁 NISA特設サイト(年間枠・非課税限度額・除外要件 / 2026-06-04確認)
  • 資産運用業協会 NISA成長投資枠の対象商品一覧
  • 新NISAナビ / 楽天トウシル(金地金は対象外・金ETF/投信は成長投資枠の裏取り)
  • 日本経済新聞「高値で話題の金、新NISAで投資できる?」
  • World Gold Council「戦略的資産としての金」(業界団体・出典属性明示で引用)
  • ピクテ「金と株式の組み合わせ」(S&P500 vs 金リターン比較・分散効果・為替影響)
  • 田中貴金属工業 金価格レビュー/ねだんチャート $GOLD(1973〜2025は年平均ベースの推定値、2026-05-25のみ確報)

金は CFD・金ETF・純金積立など複数の手段で取引でき、長期の資産形成ではiDeCo等の制度活用も選択肢の一つになる。いずれも価格変動リスクがあり、本記事は特定の商品を推奨するものではない。投資は自己責任で。

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よくある質問

このコラムのよくある質問(FAQ)

新NISAで金は買える?
金地金・純金積立そのものは新NISAの対象外です。新NISAの対象は上場株式・投資信託・ETF・REIT等の有価証券で、金地金は現物コモディティのため含まれません。ただし金ETF・金投資信託であれば成長投資枠の対象になります(つみたて投資枠は不可)。個別商品が対象かは資産運用業協会や各証券会社の最新一覧で確認してください。
金は過去どれだけ増えた?
国内の金小売価格は1973年の1g 958円から2026年5月25日時点で1g 25,826円へ、約27倍になりました(年平均ベースの推定値。最新値のみ田中貴金属の確報)。年率に直すとCAGR約6.4%です。ただし上がり続けたわけではなく、1980年→2000年には約-77%の20年下落局面もありました。
金の長期リターンは株式と比べてどう?
業界団体World Gold Councilによれば、ドル建ての金は1971年以降で年率平均約11%と報告されています。ピクテの集計では1999年末〜2024年9月でS&P500(配当込)約6.2倍に対し金約9.1倍。ただし金は株式と異なる値動きをしやすく、分散の一手段として語られることが多い資産です。どちらが優れるという断定はできません。投資は自己責任で。
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